岡山大学大学院自然科学研究科 先端基礎科学専攻(物理学・数学・地球科学)  
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 1.[HiSOR実習報告]  2.[HiSOR 実習の感想]

実習報告

HiSOR 実習の報告


2007年度第3回実習報告



 今年度第3回目のHiSOR実習が6月12−13日に行われた。今回は物理学科から3名、地球科学科から1名の院生が参加した。地球学科からの参加は第1回目に続き2人目である。実習ではこれまで同様、シリコン表面の電子状態の観測を行った。シリコン基板の表面電子状態を表面清浄化前後で測定し変化を観測、その違いの理由を考察するという内容である。測定法としては光電子分光法とX線吸収法を用いた。
 多くの実習生にとっては初めての放射光施設であり、また自分の専門分野でない実習内容のためか、実習一日目はずいぶん戸惑っていたようである。しかし、基本的に同じ内容を繰り返す実習2日目には様子が変わり、積極的に質問をするようになった。特に、清浄化表面のLEEDパターンの観測や、1次光と2次光を用いた場合のエネルギー分解能の違いについては、実習生同士で活発な議論が行われる光景がみられた。
 地球科学科の実習生にとってはおおよそ分野外の実習内容であり、説明にも随分と戸惑いを感じていたようである。しかし、わからないことは他の実習生に尋ねたり、また、実習生同士の議論を聞いたりすることで、理解を深めていたようである。実習生間のコミュニケーションは実習をスムースに進める上で大きな助けとなった。
 今回の実習には物理学科大学院2年生の岡崎君がTAとして参加した。また、実習2日目には、物理学科の野上先生が見学に来られた。特に、野上先生はお忙しい中一日中見学してくださり、また、実習の雰囲気を盛り上げても下さった。実習生もよりよい環境で実習が経験できたと思う。
 以下に、参加実習生の感想を記す。

  • 普段やっている実験とは似てそうで違うところだらけで、新鮮で楽しかった。
  • 光電子分光はなじみが薄かったので実習前はちゃんとできるかかなり不安でしたが、先生方が初歩的な質問にも付き合ってくれたので楽しかったです。できれば、簡単でいいので、未知の試料の測定(課題のようなもの)が1つあれば、もっと議論できてよかったかもしれませんでした。
  • 放射光についての知識を得られたことや、実験器具に囲まれたことなど、刺激的なことが多く、楽しかった。
  • 分野がまったく違うのにもかかわらず、みなさんが丁寧に教えてくださって本当にためになりました。これからいろいろなことに興味が持てそうです。


写真1.光電子分光測定をする実習生たち

写真2.参加者集合写真。
広島大学放射光科学センター前にて。



2007年度第4回実習報告



 概要:  平成19年6月14-15日にかけて本年度第4回目のHiSOR実習が行われた。今回は,数理物理科学専攻の修士1年生の学生が4名参加した。今回は薄膜物性研究室の修士2年生にTAをお願いした。試料準備はTAの指導のもと参加者が行い,その後1日目午後と2日目午後を使って,清浄化前後のSi表面の電子状態を光電子分光と吸収分光で観察した。 清浄化表面に対しては低速電子線回折実験も行った。実習を行いながら,放射光の分光方法や光電子の測定方法などの必要と思われる点に関して,ホワイトボードに図示するなどTAの適切な説明により,実習生たちは光電子分光と吸収分光から何が得られるか理解したようである。今回、2日目午前にマシーントラブルのため放射光が利用できなかったので,急遽、測定の説明とレポート作成の準備を行った。しかし,午後には光が利用できるようになったので,遅れながら所期の測定実験をすべて完了した。その後,レポート作成を行い,実習を終了した。
 実習生からの感想を以下に記す。

  • 普段使わない放射光施設を使うことができて,興味が沸いた.
  • 今まで放射光では構造解析しかしたことがなかったので、新しい測定や講義の内容が新鮮だった。
  • 放射光を使った実験は初めてだったが、さまざまな測定が可能であった。とてもすばらしい実験であった。
  • 研究として光電子分光の理論的な研究をしているのですが、実験を実際にすることは新鮮であり、これからの研究に対して有意義なことでした。



熱心に計測画面を見ている実習生。
右端はTAをお願いした修士2年生の学生。

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