岡山大学大学院自然科学研究科 先端基礎科学専攻(物理学・数学・地球科学)  
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 1.[Spring8 実習の感想]

SPring8 実習報告

一緒に参加した人たち以上勉強になった


数理物理科学専攻 41419123 深石 翼

 今回、先端放射光実習という事で11/10〜11/12の3日間の間Spring-8のBL14B2で実習を行いました。BL14B2は硬X線を使ったX線吸収微細構造(XAFS:X-ray Absorption Fine Structure)の実験を行うことが出来、その実験で得られたデータから試料の構造がどのようになっているかが分かるといった仕組みになっています。今回の実習では、私は複合酸化物光触媒について、その組成比に応じてペレットを作製し、測定するという実験を行いました。
 まず、ペレットを作製するという事についてですが、これにはまずペレットの厚さから使用する試料の質量を計算から出さなくてはいけませんでした。計算式は与えられた式を用いたのですが、それにはユニットセルの情報やユニットセル内にいくつの分子が入り込んでいるか等の情報を考慮した上で計算を行わなくてはいけません。そして、計算から得られた情報を基に、電子天秤で試料の質量を測っていきます。また、計算から得られた資料自体の厚さに伴ったΔμtという値から、ペレットの厚さを稼ぐために混ぜ込むBNの質量もまた計算します。以上のことから、「試料の質量」+「BNの質量」を足し合わせた値がペレットの質量となります。こういったペレット作製を全部で3回行いました。
 ペレットというのは研究室内で一度経験したことがありましたが、そのときは試料等の必要な計算はしてあり、私はただペレットを形成することだけ行ったので、ペレット作製を一からやれたというのは非常に新鮮でかつ勉強になりました。また、私の研究テーマは主に試料作りとなっているため、おそらく一緒に参加した人たち以上勉強になったと思っています。時間の事や企業の方達に関連することになるので仕方ないと思いますが、今回測定するに当たって用意された試料の粉末をどのような手段で作製したのかという事から、要するに今回用いた試料をすべて自分で用意してという所から実験を行えたらよかったなと思いました。
 次に測定に関してですが、今回はBL14B2での測定だったので、試料のセッティングやらは特別難しいことはありませんでした。ただ、初めて硬X線を使用したBLで実験をしたので、そこに関しても非常に勉強になりました。装置の入っている部屋からの退出に関する手順等や試料のセッティング自体の手順等に関しても同様に、非常に勉強になりました。    測定に関して難しいと思ったことは、実験で得られたデータをその場で簡単に解析を行うのですが、その手順を覚えることが難しかったです。元々暗記は得意ではないので、尚更難しかったです。また、得られたデータには振動した曲線が描かれているのですが、その振動にある関数を用いた直線をフィッティングして解析を行うのですが、そのフィッティングは解析する人の感覚で行う、要するに「人によって解析結果が異なる」ので、どれくらい時間をかければよいか、どれくらい厳密に行えばよいか等、色々考えさせられました。
 今回の実習に関する感想としては、Spring-8では実質初めての実験だったので、非常に楽しかったです。また、少なくとも企業に入って研究を行うにしても、どういった雰囲気で実験を行っているかという事は感じる事が出来たと思います。
 次に、様々な研究室から実習に参加する人が集まって一緒に実験を行うことは中々無いので、そういった所も楽しかったです。特に、実験系の人と理論系の人が一緒に実験を行うことなんて稀だと思うので、凄く新鮮でした。

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