岡山大学大学院自然科学研究科 先端基礎科学専攻(物理学・数学・地球科学)  
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 1.[Spring8 実習の感想]

SPring8 実習報告

形だけの実習ではなくより現実的な体験


地球科学専攻 41419502  小林恵子

 はじめに、先端放射光科学実習に参加した理由は、実家のあるたつの市には播磨科学公園都市があり、SPring-8という施設の存在は知っていましたが実際に行ったことはなく、地元住民として、大学院生として何か得るのもがあるのではないかと思い参加しました。
 放射光実習はHISOR実習に続き二回目で、前回のような施設であると思い描いていました。しかし、実際目にしたSPring-8の概観・大きさに驚き、その広さゆえ移動するにも一苦労で自転車を使っている人もいました。第一回目のHISOR実習と違う点は、実習に先駆けて企業の方が興味深い講演を行い、また実習に則した宿題があったこと、日数・実習生共に多いことでした。私は専攻外ということもあり、宿題を解くのも大変でとても苦労しましたが、実習のみんなと一緒に理解できないところを詳細に教わってやっと答えを導くことができました。また、実習中に行われた講義では物理の基本的なことまで質問したにもかかわらず池田先生、野上先生をはじめ、出光興産の宇都野さん、センターの方々に大変丁寧に説明して頂くことで理解を深めることができ、とても感謝しています。
 普段研究室で行っている実験・観測では対象が気象現象であり、目に見えるものではないため、少々の戸惑いと、不安がありました。
 まず初めに、タブレットを作るため渡された試料を測定し、乳鉢で混ぜ合わせます。このような作業は3年生の化学実験以来で自分の不器用さに少し苛立ってしまいました。次に20Mpaの圧力で試料を固め、タブレットにしていきます。型から資料を外す際、作ったサンプルが壊れてしまうのではないかと思い、加える力加減がとても難しかったです。無事サンプル作りを終え安堵感にひたってしまったのは言うまでもありません。
 2日目、いよいよ作ったサンプルにビームを当てる実験を行いました。実験では、施設の安全講習でハッチでの出入りから教わりました。もし間違ったことをすればすべてのビームラインは止まってしまうため絶対に失敗はできません。計測する人から試料の入れ替えを行い、いよいよ計測です。4つのサンプルのうち自分が作った試料2つ、残りの2つは宇都野さんが持ってきて下さったサンプルです。最初のサンプルはとてのきれいにスペクトルを見ることができましたが、2番目のサンプルは吸収がまったく見られずサンプルミスでした。3・4番目は頂いたサンプルで、3番目のサンプルは反応なし、4番目のサンプルはスペクトルを見ることができました。解析にはREXCというソフトを使用し、スペクトルをあわせるため、紛糾しました。あたった試料がよかったのか予想より早めに終えることができました。一連の実験作業で終始丁寧に御指導いただいた、広沢さん、谷口さんに感謝します。広沢さんは実験でみんなの疲れが見えてくると気分を盛り立てるため、いろいろと楽しい話をしてくださり、雰囲気が和んだように思います。また、谷口さんは私と同じ中高出身だったこともあり、地元の話や出身校の話などをして地元を懐かしむことができました。本当にありがとうございます。
 余った時間を利用して施設内で行われている地球科学分野の研究を見学に行ったり、またTAの方にお借りした本を読むなどして実習の理解を深めることができました。さらに、現在就職活動中であるため企業の方の率直な意見を頂きたく、宇都野さんと就職や研究についてのお話をすることができました。今後の人生の選択肢を増やすきっかけとなったと思います。

今回の実習を通して、岡山大学大学院生として世界に誇る大型放射光施設を利用させていただき、とても貴重な体験をすることができたと感じます。前回の実習とは違い、企業の方と共同で実験を行い、為になるお話をすることができとても実りあるものになったと感じています。さらに、普段行わないような実験内容であり、共感できるところ、違いに戸惑うことも多くありましたが、とても濃い3日間を過ごすことができたと思います。ありがとうございました。
 また地元住民として、このような立派な施設があり、多くの科学技術の発展のために使用されていることことを誇り思います。ありがとうございました。

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