SPring8 実習報告
各人が試料作成を一貫して行う
数理物理科学専攻 学籍番号41419115 氏名 小松 拓磨
私の研究は、主に学内の装置を使っての物が多く、spring-8のような放射光施設で
実験を行うことは初めてで、二日間を通してとても勉強になりました。今回の実習は
私にとってとても貴重な体験になったと思います。そして、この二日間の実習で学んだことは大きく3つあります。
まず一つ目は、今回の実習で使わせていただいたビームラインで行われる、“XAFS”についてです。
簡単に言えば、物質の構造を局所的に解析する方法なのですが、今までこのような研究をしたことがなく、
非常に興味を持ちました。また、流石と言うべきなのは、その測定の速さ、質の高さで、
世界レベルの装置を使っているという実感が持てて、とても良かったです。
2つ目は、ペレットと呼ばれる今回XAFSを用いて測定する試料の作成を行ったことです。
こちらも同様に、今まで作ったことがなく、新鮮な気持ちで取り組めました。
また、この作成にあたり、参加したメンバーそれぞれが試料の重さ等を計算する所から行い、
各人が試料作成を一貫して行うということは、その後のXAFSによる測定に対しても意欲が湧き、
とても良かったと思います。最後は、この二日間を通して指導、協力をしていただいた、
住友金属の方々から得たことです。やはり、普段学内で研究を行っている私たちにとって、
会社の方々からの意見はとても貴重なものでした。それは、今回の研究内容に関することから、
実際、企業においての研究という面の話まで様々で本当に勉強になりました。
さらに、今回作成、測定した試料は、住友金属がこれから商用化に向けた物で、
そういった現実に応用されるものを扱っているという点でも興味が持てました。
これらが、今回私がこの二日間を通して学んだことです。今回の実習にあたり、
spring-8に参加するまで、不安の面もありましたが、終わってみれば素晴らしい体験になったと思います。
最後に一言加えると、ここまでspring-8の実習は素晴らしいものと述べてきましたが、
一日の作業時間も長く、大変な面もありました。しかし、それらを踏まえた上でも、
今回の実習で得られるものは多く、価値のあるものであると思います。
また、このイニシアチブは岡山大学の授業の1つであるのと同時に、特色にもなりえるとても良い授業だと思います。これからも、岡山大学の特色ある授業の1つのとして、続けていってもらいたいです。
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