岡山大学大学院自然科学研究科 先端基礎科学専攻(物理学・数学・地球科学)  
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 1.[Spring8 実習の感想]

SPring8 実習報告

知識を深めてくるということで宿題が出されました


物質生命工学専攻  43419427  小川 翔

 今回の実習ではシリコン上にポリイミドの薄膜を施したもののX線反射率測定を行うということで、まず1日目は測定する試料の切り出しを行いました。練習用のシリコンで、どうきったら上手に切れるかわからなかったのですが、切り方を聞いた時は単結晶だから、ある決まった方向にしか割れないので、その方向に少し切れ目をいれ、手で引っ張り割ると簡単に割れました。きちんと考えれば教わらずに分かるはずだけど、試料の切り出しなど扱う時には、扱う前にその試料の性質をよく考えたほうがいいということがよく分かりました。本番の試料は8個あり、一人一個で、そのうち二つが同じものどうしで、測定を行うと、同じ結果を得たものが同じ試料であるかを判断しようというものでした。本番の試料は大きめに切り出さないといけなく、切れる回数が2〜3回ほどしかなく、きれいに切れるかどうか緊張しましたが、全員1回目できれいに切ることができ、安心しました。そして、2日目の測定までに知識を深めてくるということで、宿題が出されました。シリコンはダイアモンド構造なので、ダイアモンド構造のX線をあてた時の出現する面、消滅する面はどれかというものでした。ダイアモンド構造の構造は少し複雑で構造因子からどの面が出現するか、消滅するかというのは僕にとっては難しかったです。
 2日目から測定を行いました。X線反射率を測定し、その全反射臨界角を測ることで密度、またフリンジとよばれる周期を測ることで膜厚がわかるというものでした。まず試料を試料台に両面テープでつけました。普段の実験では粉末でX線回折を測定しているのですが、その時と違って、薄く長いものをテープでとめると歪んでしまう可能性があるということが分かりました。測定を行うと全反射臨界角はきれいに現れました。またフリンジは最初きれいに現れていたのですが、途中からはきれいなフリンジが得られませんでした。つぎにこの結果のフィッティングを行いました。全反射臨界角はきれいにフィッティングすることができ、膜密度は1.5000g/cm3ということが分かりました。フリンジは途中からきれいな周期になっていないので、表面の粗さ具合を大きくしていくとだんだんフィッティングできていき、表面が粗いということがよく分かりました。フリンジから膜厚が183.71nmということが分かりました。次に行ったのは、シリコン、ZnO、サファイア基板上のシリコン、またそのサファイア基板の4種類でout-planeとin-planeの2方向でX線回折を測定し、ab面とc面の違いを見ました。僕のおこなったのはサファイア基板でした。サファイア基板は作製の過程でab方向が縮み、それに伴ってc面が伸びるので違いが読み取れるはずである。しかしサファイア基板は半価幅が小さく、確実に検出できる方法で測定を行うと75分もかかってしまうというものでした。この時間の間に食事に行ければよかったのですが、食堂は閉まっていて、最初にこの時間に食事にしようとか決めていても、時間がおしてしまって予定通りにすることは難しいことなんだと聞き実感しました。今回は色々な話が聞けたり、測定を行ったり、考えさせられたりして有意義な実験ができたと思います。企業の方の教えてあげようという熱意がすごく伝わってきました。

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