岡山大学大学院自然科学研究科 先端基礎科学専攻(物理学・数学・地球科学)  
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 1.[Spring8 実習の感想]

SPring8 実習報告

実験手法を考案し、問題を解決していく作業が体験できた


先端基礎科学専攻            氏名 山本健一郎

  イニシアティブの支援を受け、平成20年1月31日から2月4日までSPring-8に行って実験をおこなった。実験には岡山大のメンバーの他、早稲田大の寺崎グループと東北大の渡邊氏、JASRI/SPring-8の伊藤氏が参加した。  この課題では、巨大非線形伝導示す有機伝導体θ-(BEDT-TTF)2MM’(SCN)4 (M=Cs,Rb M’=Zn,Co)において非線形伝導の起源を探索する目的で研究をおこなっている。これまでの研究ではM=Csの場合に、非線形伝導の観測される20K以下において、伝導軸方向に2倍と3倍の周期を持った2つの電荷秩序が競合し、電場下で2倍の電荷秩序が融解することなどを明らかにしてきた。今回の実験ではM=Rbの試料を一度最低温まで急冷し、2倍の電荷秩序を形成する転移温度付近(転移温度以下)で待つ、という手法によって2つの電荷秩序相を制御することを目指し、2つの電荷秩序の混合状態とそれぞれの電荷秩序が単独で存在する状態を作るための条件を決定した。
 実験の準備段階では試料の接触抵抗が高いといった理由などで、4回も試料を交換するということもあったが、回折実験がはじまると順調に進行した。測定したデータはその場で解析をおこない、データをもとに共同実験者らと議論をして次の測定条件を決めてデータをとっていった。  

(感想)
 今回の実験では測定作業をこなしていくことで、実験技術やトラブルに対応する能力が向上したと思う。なかでも、とくに有意義だったと感じたのは、大勢の共同実験者との共同作業により、事前の文献調査や予備実験をもとに、実験手法を考案し、問題を解決していく作業が体験できたことだろう。今回の体験を今後の研究活動に役立てていこうと思う。

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