実習報告
HiSOR 実習の報告
(2007年度第5回実習報告)
概要:
平成19年6月26日-27日にかけて第6回HiSOR実習が行われた。
今回は、数理物理科学専攻の4名の修士1年生が参加した。試料準備を岡崎君の指導のもと参加者が行い、
その後1日目午後と2日目午前を使って、清浄化前後のSi表面の電子状態を光電子分光と吸収分光で観察するとともに、
清浄化表面に対しては低速電子線回折実験も行った。
今回の参加者の中には放射光や光電子分光測定にある程度習熟している学生がいたので、
実習のかなりの部分を学生が自主的に遂行していた。
また、通常レポート作成にあてる2日目午後を使いSi清浄表面に対する角度分解光電子分光測定も行った。
角度分解光電子分光を実習で行うのは、HiSOR実習では初めての試みであり、世界的に見ても珍しいことだと思う。
測定の空き時間などを利用して補足説明や学生同士の議論が行われ、
これによって放射光を用いた物性測定に対する多くのイメージが得られたようだった。
その後、試料を試料真空槽からの移送し、実習を終了した。
実習生からは、「机上での勉強だけでなく、実習という現場に立つことでようやく理解できる事もあるのだと痛感した。
また、机上では理解できないことが現場では分かるという事もある事も痛感した。」、
「所属している研究室でも光電子分光測定を行うため、光電子分光の理解を深めるために実習に参加することに決めた。
本を読んでわかっていると思っていたことであっても、実際に自分の手足を動かし、頭を使い、装置に触れ、
測定を進めていくにつれて、今まではわかったつもりで素通りしていたということに気付き、そこに再び目を向け、
しっかりと理解をする良い機会になった。」、「放射光科学に関する丁寧な説明があり良かったと思います。
(特に放射光施設に関する内容は非常に勉強になりました。)
また、角度分解光電子分光は初めてだったので、今後につながる非常に良い経験だったと思います。」、
「データを取るだけでなく、解説をしていただきながらデータ解析の方法(マッピング等も含めて)
も勉強する機会があればよかったです。
今回の実験後に、より多くの実験を経験してみたいという気持ちが何倍にも高まりました。」などの感想が寄せられた。
|