放射光科学実習内容
1.放射光科学コースの教育目標
岡山大学には日本の大学院で唯一の放射光科学講座が存在します。放射光は人類が生み出した最も明るく有益な光であり、その能力は最先端の基礎科学から生活に直結する産業製品の開拓まで幅広く生かされています。放射光科学コースでは、放射光科学講座の教員と、岡山大学近郊にある2箇所の放射光研究施設(HISORとSPring-8)、さらには放射光による先端研究を行っている複数の企業とが連携する、新しい教育コースを実施します。これによって、先端計測技術の限界を突破できる技術開拓科学者や、基礎科学から応用製品開発までの広い視野を持って産業界に進出できる人材育成を目指します。
2.放射光科学コースの履修モデル
- 1年次:放射光物理学特論、物性基礎論、放射光科学基礎論、極限物質物理学、
放射光物性学、放射光物理学、超伝導物理学、量子磁性物理
- 2年次:先端放射光科学実習2単位。および数理物理科学ゼミナール、
数理物理科学特別研究
3.実習科目の概要
- 放射光科学専攻
- 開講科目名:先端放射光科学実習(Exercise in Synchrotron Radiation Sciences)
- 開講時期:後期集中
- 単位数:2単位
授業計画:最先端の放射光科学研究施設を活用し、通常の大学院の授業では学ぶことのできない実習を行う。このコースでは放射光科学の入門講義からはじまり、最終的には先端企業研究グループに合流し、実社会に役立てられている放射光科学研究について実習を行う。
始めは最も基礎となる物質と光の相互作用の物理を学ぶ。その後HISORの岡山大学ビームラインにおいて放射光施設への入門をかねた分光吸収実験の実習を行う。放射光を用い最先端の研究を行っている企業研究者を招聘し、社会需要に対応した放射光研究の内容について解説・講義を受ける。SPring8での実習では同じ企業研究者のもとで、実際の製品開拓に即した実習実験を行う。一連の講義・実習の後、報告会を行う。実習授業を履修するための条件は特にないが、基礎的な物理学分野の知識と実習に対する熱意が望まれる |
|